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28話 繋いだ手の温度と、町を後にする二人

ผู้เขียน: みみっく
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-13 06:00:03

(暗殺者って……ずいぶん物騒だな。狙われるってことは、それなりの地位か裕福な家の子だよな。また面倒なことに巻き込まれるのか?)

 彼の心に、わずかな疲労感がよぎる。しかし、同時にこの小さな存在を放っておけないという、かつてなかった温かい感情が芽生えていた。彼は、この少女を助けるべきだと、直感的に感じていた。

 ──そらは、少女をこれ以上路地に留まらせるべきではないと判断し、優しく問いかけた。

「助けは必要かな? 帰る場所はあるの?」

 少女は顔を伏せたまま、小さく首を振る。彼女の震える声は、不安と寂しさに満ちていた。

「帰る場所はないの……」

 そらは一瞬考え込むが、すぐに心を決めた。彼の脳裏には、先ほど助けたばかりの三人の少女たちの顔が浮かんでいた。

(こんな小さな女の子を放っては置けないよな……)

「それじゃ、うちに来る?」

 少女はハッと息を呑み、驚いた表情を浮かべながらそらを見上げた。その茶色の瞳には、かすかな希望の光が灯った。彼女は信じられないといった様子で、小さな口を開く。

「いいの……?」

 そらは安心させるように微笑んで頷く。

「少し歩くけど……大丈夫かな?」

 少女は、先ほどの震えが嘘のように消え、力強い眼差しで答えた。

「うん。大丈夫なの」

 そらは自然に手を差し出す。その手は、安心感を与えるように、ゆっくりとノアの前に差し伸べられた。

「名前は? ボクは、そらだよ」

 少女は差し出された手を恐る恐る握った。その手は、路地の冷たさを吸い込んだかのように冷たく、細かった。ノアは、そらの目をじっと見つめ、小さな声で答える。

「わたしはノア……8歳なの」

 ──茶髪のセミロング、茶色の瞳。汚れはしているが、端正な顔立ちと、守ってあげたくなるような小さく可愛らしい姿に、そらは思わず感心した。

(よくこんなところで無事に過ごせたな……)

 そらは背負ったバッグを整え、再びノアに声をかけた。彼の声には、先を急ぐ気持ちが滲んでいた。

「ボクは、用事が済んだから出発ができるけど?」

 ノアは、この薄暗い場所に怯えているのが明らかで、すぐに食い気味に答えた。その瞳には、一刻も早くここを離れたいという強い願望が浮かんでいる。

「ホント? わたしは早くこの町を出たいの」

 そらは軽く笑いながら頷き、ノアの小さな手を優しく握った。手のひらから少しずつ温かさが伝わっていく。

「じゃあ行こうか!」

 ノアは少し緊張しながらも、彼の視線から目を逸らすことなく、はっきりと答えた。

「はい、なの」

 ──そらとノアは手を繋ぎ、町を足早に後にした。ノアの小さな手を握るそらの手のひらには、彼女の微かな体温と緊張が伝わってくる。二人の足音だけが、乾いた土の地面に小さく響いた。

「両親が心配してるんじゃない?」

 そらが優しく問いかけると、ノアは一度立ち止まり、俯き加減で小さな声で答えた。その声には、八歳の少女が背負うには重すぎる悲しみと覚悟が滲んでいた。

「両親は亡くなりましたの。それで、わたくしが領主になる事になりましたの……それで弟の家臣たちに命を狙われる事になりましたの……」

 ノアの言葉は、まるで童話のような、しかし現実の血生臭い真実を語っていた。そらの顔に、再び困惑の色が浮かぶ。彼は、ただの盗賊から子供を助けたと思っていたが、事態は想像以上に複雑で面倒な権力争いに巻き込まれていることを悟った。

 そらは驚きを隠せないまま、静かに頷いた。まさか、八歳の少女からこれほど壮絶な話を聞くことになるとは予想していなかった。

(そんな幼い子が、領主の座を巡る争いに巻き込まれるなんて……この世界の理不尽さは、想像以上だな。)

 彼の心に、この世界の厳しさが改めて刻み込まれる。彼は、ただ静かに相槌を打つことしかできなかった。

「あぁ……なるほどね……」

 ノアの目が少し伏せられ、声がかすかに震える。過去の悲劇を思い出し、胸が締め付けられるような痛みを感じているようだった。

「わたしの家臣達はわたしを守るために、ほとんどの方は亡くなりましたの。残った家臣たちは捕まってしまいましたの……」

 ノアの言葉は、その小さな体には不釣り合いなほどの重い現実を含んでいた。そらは、この少女がどれほどの孤独と恐怖を乗り越えてきたのかを想像し、握る手に自然と力がこもった。

 ──その言葉の重さを胸に刻みながら、そらは慎重に考えを巡らせる。ノアの言葉の端々からは、過酷な状況を生き抜いてきた「強さ」と、同時にその幼い心に刻まれた「深い傷」が感じられた。

(転移を使うにも、まだノアを完全に信用できるわけじゃないし、タイミングも難しい……それに、もし彼女が「異能者」だったら……。まだ、なにがあるか分からない世界だし、慎重に探る必要があるよな。)

 彼はそう心の中で結論付け、ノアを連れて歩き続けた。彼の手を握るノアの体温は、歩くうちに少しずつ戻ってきていた。──半日ほど歩き、夕方になる頃。空は茜色に染まり始めていた。

(みんなに何も言わずに飛び出してきたから、心配をしているかもしれないな……)

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